麻しん(はしか)
麻しんの主な症状
麻しんは、ウイルスによる感染症で、感染力は非常に強く、患者のせきなどで空気感染します。潜伏期間は10~12日です。
初期は発熱、せき、鼻水などカゼに似た症状のあと、高熱が出て赤い発疹が全身に広がります。最初の3~4日間は38度前後の熱で、一時おさまりかけたかと思うと、また39~40度の高熱と発疹が出ます。高熱は3~4日で解熱し、次第に発疹も消失します。
予防策について
麻しんには予防接種が有効です。麻しんの予防接種を受けてない、り患したことがない場合は、かかりつけの医療機関に相談し、予防接種を受けることをお勧めします。
海外への渡航を予定されている方
- 麻しんにかかったことが明らかでない場合は、渡航前には、麻しんまたは、麻しん風しん混合の予防接種歴を母子手帳などで確認し、2回接種していない場合は予防接種を検討しましょう。
- 帰国後には、2週間程度は麻しん発症の可能性も考慮して健康状態(特に、高い熱や全身の発疹、せき、鼻水、目の充血などの症状)に注意しましょう。
風しん
風しんの流行に注意しましょう
現在、関東地方で風しんの報告数が大幅に増加しており、全国的に感染が拡大しています。
風しんは、妊娠20週頃までの妊婦が風しんウイルスに感染すると、胎児が風しんウイルスに感染し、先天性風しん症候群※を起こすことがあります。
※「先天性風しん症候群」
妊婦、特に、妊娠初期の女性が風しんにかかることで、胎児が風しんウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、発達の遅れ等の障がいをもった赤ちゃんが生まれる可能性がある。これらの障がいを先天性風しん症候群という。
風しんの主な症状
風しんは、飛沫感染・接触感染により感染します。感染後、14~21日(平均16~18日)の潜伏期間を経て、発症します。
発症した人がウイルスを排泄する期間は、発疹出現の前後約1週間です。
発熱、淡紅色の発疹(顔→体幹→全身の順に出現)、リンパ節腫張(耳介後部、後頭部、頸部)が出現するが、発熱は風しん患者の約半数にみられる程度。
※合併症:一過性の多関節痛・多関節炎(思春期~成人女性に多い)、脳炎(4,000から6,000症例に1例)、血小板減少性紫斑病(3,000から5,000症例に1例)
予防について
風しんには予防接種が有効です。予防接種を受けても100%かからないわけではありませんが、約95%~99%の方は免疫を獲得できると考えられています。自分自身を風しんから守るためだけでなく、妊婦や赤ちゃんを守るためにも予防接種を受けましょう。
特に以下の方で、過去に風しんの予防接種を受けたことがない方は、予防接種を受けることをご検討ください。
・特に30代から50代の男性のうち、明らかに風しんにかかったことがない、風しんの予防接種を受けたことがない又は風しんに対する抗体が陽性で
あると確認ができていない方
・妊婦への感染を防止するため、特に⑴妊婦の夫、子ども及びその他の同居家族、⑵10代後半から40代の女性(特に妊娠希望者又は妊娠する可能性
の高い者)のうち、明らかに風しんにかかったことがない、風しんの予防接種を受けたことがない又は風しんに対する抗体が陽性であると確認がで
きていない方
また、風しんの抗体価が低い人は麻しんの抗体価も比較的低い傾向が見られることから、風しんの予防接種を受けられる場合は、麻しん対策の観点も考慮し、麻しん風しん混合ワクチンを接種されることをお勧めしています。