国民健康保険(以下「国保」という)は、職場の健康保険等に加入していない方を対象に、病気やケガをしたときに安心して治療が受けられるよう相互扶助を目的とした医療保険制度です。国民健康保険税(以下「国保税」という)は世帯を単位とし、世帯主が納税義務者となります。世帯主が国保に加入されていない場合(他の健康保険等に加入されている場合)であっても、世帯の中に国保に加入している人がいる場合は、世帯主が国保税納付の義務を負います。
1.国民健康保険税の計算
国保税(年税額) = 基礎課税額 + 後期高齢者支援分 + 介護保険分 ※それぞれ、所得割額・均等割額・平等割額から構成されます。
区 分 | 基礎課税額 (国保加入者の医療費のため) | 後期高齢者支援分 (後期高齢者医療の支援のため) | 介護保険分 (介護保険事業のため) ※40歳以上65歳未満の人 |
---|
所得割額 | 課税所得額の 9.90% | 課税所得額の 2.80% | 課税所得額の 2.20% |
---|
均等割額 | 被保険者1人当たり 25,500円 | 被保険者1人当たり 7,200円 | 被保険者1人当たり 9,400円 |
---|
平等割額 | 1世帯当たり 35,000円 | 1世帯当たり 9,500円 | 1世帯当たり 5,000円 |
---|
最高限度額 | 650,000円 | 220,000円 | 170,000円 |
---|
2.低所得世帯に対する軽減制度
国保税の世帯主(国保に加入していない世帯主も含む)およびその世帯の国保加入者について、前年の総所得金額の合計額が一定額以下の場合は均等割額および平等割額が軽減されます。
世帯主と国保加入者の総所得金額の合計額 | 均等割額・平等割額の軽減率 |
---|
43万円 + {10万円 ×(一定の給与所得者等の数 - 1)} 以下の場合 以下の場合 | 7割軽減 |
---|
43万円+ (29.0 万円×被保険者数) + {10万円 ×(一定の給与所得者等の数 - 1)} 以下の場合 | 5割軽減 |
---|
43万円+(53.5 万円×被保険者数) + {10万円 ×(一定の給与所得者等の数 - 1)} 以下の場合 | 2割軽減 |
---|
※一定の給与所得者等とは、給与所得者(給与収入が55万円を超える方)と公的年金等の支給を受ける方(65歳未満:公的年金等の収入が60万円をこえる方、65歳以上:公的年金等の収入が110万円をこえる方)になります。
※この制度を適用するためには、所得税や住民税の申告が必要でない方も必ず申告が必要です。
※【注意】所得がない方も住民税の申告をされない場合は、軽減を受けることができません。
3.非自発的失業者にかかる軽減制度
倒産、解雇、雇い止めなどにより離職された方は、国保税が軽減されます。
対象者
次のすべての条件を満たす方
(1)離職日において65歳未満の方
(2)雇用保険の失業等給付を受けている方で離職コードが下記に該当する方
【特定受給資格者に対応する離職理由コード】
離職理由コード | 離職理由 |
---|
11 | 解雇 |
---|
12 | 天災等の理由により事業の継続が不可能になったことによる解雇 |
---|
21 | 雇止め(雇用期間3年以上の雇止め通知あり) |
---|
22 | 雇止め(雇用期間3年未満更新明示あり) |
---|
31 | 事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職 |
---|
32 | 事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職 |
---|
離職理由コード | 離職理由 |
---|
23 | 期間満了 |
---|
33 | 正当な理由のある自己都合退職 |
---|
34 | 正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12か月未満) |
---|
軽減額の算定
対象者の前年の給与所得を30/100とみなして国保税を算定します。※ただし、給与所得以外の所得は100/100で算定します。
軽減期間
離職の翌日から翌年度末まで
軽減申請に持参していただくもの
(1)雇用保険受給資格者証(原本)
(2)国民健康保険証(原本)
4.特別徴収(公的年金からの天引き)
以下4項目すべてにあてはまる人は、原則、年金から国保税が差し引かれ(天引きされ)ます。
(1)世帯主が国保の被保険者である。
(2)世帯の国保加入者全員の年齢が、65歳から74歳までである。
(3)特別徴収の対象となる年金の年額が18万円以上である。
(4)介護保険料と国保税の合算額が、特別徴収の対象となる年金額の1/2以下である。
ただし、届出をすることにより、口座振替により納付することもできます。
※特別徴収の場合、納付書での納付はできません。
※税の滞納がある方は口座振替への変更手続きはできません。
※年度中に世帯主が75歳を迎え、後期高齢者医療制度へ加入する場合は、その年度の4月以降の特別徴収は行わず、6月からの普通徴収により納めていただきます。
5.年度の途中で国保の資格取得または喪失した場合の国保税の年税額
(1)途中で加入された場合・・・加入した日の属する月から国保税を月割計算します。
(2)途中で脱退された場合・・・脱退した日の属する月の前月分までで国保税を月割計算します。
6.年度の途中で年齢が40歳、65歳、75歳に達する方がいる場合
年度の途中で年齢が40歳に達する方がいる場合
到達月(誕生日の前日の属する月)から国保税として介護保険分が加算されます。
到達月の翌月に改めて介護保険分を含んだ「国保税額変更決定通知書」を郵送します。
年度の途中で年齢が65歳に達する方がいる場合
到達月(誕生日の前日の属する月)の前月まで国保税として介護保険分がかかり、到達月からは国保税とは別に介護保険料を別途納付していただきます。国保税はあらかじめ到達月の前月までの介護保険料分を計算して、各納期に割り振ってあり、到達月以降の介護保険料分は含まれていません。
年度の途中で年齢が75歳に達する方がいる場合
誕生日から後期高齢者医療保険制度に移行し、後期高齢者医療保険料を支払う(納付書等は別途送付します)ことになります。
国保税は誕生日の到達月(誕生日の属する月)の前月までとなりますが、あらかじめ誕生日の到達月の前月までの国保税を計算して、各納期に割り振ってあります。(当初の国保税にはあらかじめ誕生日到達月以降の分は含まれていません)
7.転入して来られた方
1月2日以降、他市区町村からの転入等により国保に加入された方は、国保税の計算に必要な「所得」を前住所地の市区町村へ照会します。
このような場合は、まず、均等割額と平等割額のみで国保税を計算し、「所得」が把握でき次第、再計算した国保税納税通知書を郵送します。